ゆるドラは、スポーツカーを中心としたツーリングクラブです。
今回は、私が普段スポーツカーに乗っていて感じている「車の楽しさ」について書いてみようと思います。
最初に断っておきますが、これはあくまでも私個人の考え方、感じ方です。
車の楽しみ方は人それぞれですし、カーライフのスタイルや価値観によっても大きく変わります。
速い車が好きな人もいれば、デザインを楽しむ人もいます。
カスタムすること自体が好きな人もいれば、完全ノーマルの状態を維持することに価値を感じる人もいます。
旧車やクラシックカーの不便さそのものを楽しむ人もいます。
どれが正しいという話ではありません。
そんな中で、私が最近面白いと感じているのが、「この車を作った人たちは、どんなところを楽しんでほしかったのだろう?」と考えながら車に乗ることです。
車には企画・開発した人の意図があります
スポーツカーに限った話ではありませんが、車や、ひいては世の中のほとんどの商品には、企画した人、設計した人、開発した人の意図があります。
当然ながら、コスト、法規、安全性、耐久性、商品性など、さまざまな制約の中で作られています。
それでも、「この車では、こういう体験をしてほしい」という狙いは、どこかにあると思っています。
実際に車を走らせながら、なるほど
- この車はここが気持ちいいのか
- この場面でアクセルを踏んだ時の動きを楽しませたかったのかな
などと想像するのも、私にとっては車の楽しみの一つです。
そして、その車が持っている基本的な良さを壊さない範囲で、自分の使い方や走り方に合わせてカスタマイズしていくのも面白いものです。
現在、私がスポーツ走行やツーリングで主に使っているのは
- MR-S
- ランサーエボリューションX
- 981ボクスターGTS
- 991.2 GT3
です。
この4台は、同じスポーツカーでも方向性がかなり違います。
MR-S|軽量ミッドシップを低い速度から楽しめる
MR-Sの魅力は、とても分かりやすいと思います。
軽量なボディにミッドシップレイアウト。
コンパクトなボディサイズ。
そして、オープンカーならではの爽快感です。
絶対的なエンジンパワーは、それほど大きくありません。
しかし、そのことが逆に公道では長所になります。
速度がそれほど高くなくても、ステアリングを切った時の回頭性や、軽い車体が向きを変えていく感覚を楽しめるからです。
私のMR-Sは完全なノーマルではありません。
足回り、吸排気、ボディ剛性などを、自分の走り方や用途に合わせて変更しています。
言ってしまえば、MR-Sという素材を、自分が楽しみやすい方向へ少しずつ調整しているという状態です。
その結果、峠のような比較的低い速度域のコーナリングでも十分に楽しめます。
さらに、消耗品、維持費、修理費が比較的安いのも大きな魅力です。
多少ハードに使っても精神的な負担が少なく、気軽に乗れます。
頻繁に走らせるスポーツカーとして、この気軽さはかなり重要だと感じています。
ランサーエボリューションX|四輪のトラクションを生かして安心して踏める
ランエボXの魅力は、MR-Sとはかなり違います。
特に印象的なのが、コーナー立ち上がりでの四輪の強力なトラクションです。
車がまだ曲がっている状態からアクセルを入れても、四輪が路面を掴みながら強烈に前へ進んでいきます。
車体の剛性感も高く、電子制御による安心感もあります。
そして、この手の車としては実用性もかなり高いです。
人も乗れますし、荷物も積めます。
雨の日でもそれほど神経質にならずに使えます。
私のエボXは足回りに若干不満がありますが、エンジンパワーとブレーキ性能のバランスは良く、峠でも車の持っている性能をある程度使うことができます。
つまり、公道でも開発者が意図したと思われる「おいしい部分」を比較的体験しやすい車です。
そして、かなり頑丈です。
長く乗っていますが、大きなトラブルはほとんどありません。
壊れたとしても、現時点ではまだ新品部品が手に入るものもあります。
速くて、安心感があって、実用性もあり、しかも頑丈。
改めて考えると、かなり特殊な車です。
981ボクスターGTS|公道で使える範囲に楽しさが凝縮されています
981ボクスターGTSは、この4台の中では非常にバランスが良い車です。
まず、何より魅力的なのがフラット6エンジンとスポーツエグゾーストによる音です。
低音と高音が混ざり合い、エンジン回転を上げていった時の音には独特の高揚感があります。
しかもオープンカーですので、その音をかなり直接的に楽しめます。
パワーについても、公道で扱うにはちょうどいいと感じます。
もちろん十分以上に速いのですが、GT3ほど極端ではありません。
そのため、公道でもエンジンをある程度上まで回して、エグゾーストノートを楽しむことができます。
ポルシェらしい四輪の接地感や安定感も魅力です。
高速コーナーでは非常に安定している一方で、ミッドシップらしく回頭性も良好です。
ボディサイズも現代のスポーツカーとしては大きすぎません。
そのため、峠でもそれほど車幅を気にせず走ることができます。
さらに、乗り心地も極端に硬いわけではなく、長距離移動でも疲れにくいです。
前後にトランクがありますので、ツーリングでの積載性も十分です。
デザインも気に入っています。
個人的には981は、昔ながらのポルシェらしいデザインの雰囲気を残した世代だと感じています。
主張が強すぎず、長く見ても飽きにくい優しいデザインです。
消耗品や修理費はMR-Sやランエボとは比べものにならないくらい高いですが、今のところ大きな故障はありません。
長距離ツーリングでは、楽しさ、気持ち良さ、疲れにくさ、積載性。
このあたりのバランスがとても良い車です。
991.2 GT3|本当においしいところは公道のさらに先にあります
991.2 GT3になると、少し話が変わってきます。
4リッターNAエンジンを9000rpmまで回した時の刺激は完全に別世界です。
あのエンジンは本当にすごいと思います。
ボディの剛性感も強烈です。
私の感覚では、まるで鉄の箱に入って走っているような感覚があります。
速度が上がれば上がるほど安定し、限界も非常に高いです。
ただし、その性能のかなりの部分は公道では使えません。
むしろサーキットへ持っていって初めて、「この車は、こういうことをするために作られているのか」と理解できる車なのだと思います。
街乗りでの快適性も、ある程度犠牲になっています。
ボディサイズもそこそこ大きく、峠道では物理的なサイズだけでなく、車両価格や修理費まで含めた心理的なプレッシャーがあります。
そのため、私の場合はMR-Sほど気軽には楽しめません。
これはGT3の出来が悪いという話ではありません。
むしろ逆です。
GT3の性能が高すぎるため、現在の自分の使い方では、その魅力の中心までなかなか到達できないのです。
今のところ、GT3の本当においしい部分をほとんど引き出せていないと思っています。
もう少し経済的にも余裕ができたら、GT3で本格的にサーキットを走ってみたいと思っています。
そこで初めて、この車を開発した人たちが意図した世界を見ることができるのでしょう。
実際によく乗る順番は、車の性能とは逆です
この4台を、私が実際によく使っている順番に並べると、
MR-S
↓
ランサーエボリューションX
↓
981ボクスターGTS
↓
991.2 GT3
となります。
車両価格や絶対的な性能で考えれば、おおむね逆の順番になります。
それでもMR-Sに一番よく乗ります。
理由は単純です。
日本の公道で、その車のおいしいところをどれだけ使いやすいかという点が大きいからです。
MR-Sなら、低い速度でも軽さやミッドシップらしい動きを楽しめます。
ランエボXなら、峠でもトラクションやブレーキ性能をある程度使えます。
981ボクスターGTSなら、エンジンを回して音を楽しみながら、MRのハンドリングも味わえます。
ところがGT3になると、本当に気持ちいい領域が公道のかなり先にあります。
性能が高くなればなるほど、公道では能力を余らせる場面が増えていきます。
少なくとも私のカーライフでは、そのように感じています。
高性能なスポーツカーほど楽しいとは限りません
これは、高性能車を否定しているわけではありません。
GT3のような車に乗ると、「機械として、ここまでのものを作れるのか」という凄さを感じます。
所有する満足感もあります。
そしてサーキットへ持っていけば、MR-Sやランエボ、ボクスターでは味わえない世界を見ることができるのでしょう。
ただし、「性能が高いこと」と、「普段たくさん楽しめること」は、必ずしも同じではありません。
私にとって重要なのは、その車の性能を何%使えるかということよりも、自分が普段使う環境の中で、その車が持つ魅力をどれだけ味わえるかということなのだと思います。
クラシックカーを楽しめる人は、ある意味すごいと思います
一方で、世の中にはクラシックカーや、かなり古いスポーツカーを楽しんでいる人もたくさんいます。
あれはあれで、とても楽しそうです。
- 現代の車にはない機械感
- 古い車ならではのデザイン
- 独特の匂いや音
- 今の車では考えられないような不便さ
- 部品を探したり、自分で修理したりしながら維持していく楽しさ
そうしたものまで含めて、一台の車と付き合うカーライフにも大きな魅力があると思います。
私も、ある程度のポンコツ臭ならむしろ楽しめます。
ちょっとした不具合が出て、「まあ古い車だから仕方ないですね」と笑いながら直せる程度であれば、それも愛着につながります。
ただし、何でも楽しめるわけではありません。
ツーリングの途中で突然車が止まり、仲間に見送られながら積載車でさようなら。
これはできれば避けたいです(笑)。
また、屋根もドアもないような車でツーリングに出掛け、途中で豪雨に見舞われて、運転手も車内も全部びしょ濡れ。
これも、今の自分にはなかなか「楽しい思い出」には変換できそうにありません。
そこまでいくと、私の場合は「味」よりも「苦行」が勝ってしまいます。
とはいえ、そういう状況でも笑って、「いやあ、今日も楽しかったですね」と言える人もいます。
ある意味では、かなりの変態です(笑)。
ただ、よく考えると、これは単純に変態かどうかという話でもないのでしょう。
結局のところ、不便さや故障をどこまで楽しめるかは、その車をどれだけ好きなのか
そして、そのトラブルを笑って受け止められる精神的な余裕があるのかという部分が大きいのだと思います。
本当に好きな車であれば、多少壊れても、「仕方ないなあ」と言いながら直すこと自体が楽しくなるでしょう。
時間にも、お金にも、気持ちにも余裕があれば、旅先での故障さえ後になれば良い思い出になるのかもしれません。
逆に、同じ故障でも余裕がない時には、単なるストレスになります。
クラシックカーを本当の意味で楽しんでいる人は、車への愛着だけではなく、不便さやトラブルまで受け止められる余裕を持っているのだと思います。
その境地には、私はまだ到達していません。
まだまだ修行が必要です。
結局、自分にとって「おいしいところ」を楽しめる車が一番です
こうして考えてみると、車の楽しさは性能表だけでは決まりません。
- 馬力
- 最高速度
- サーキットタイム
- 車両価格
もちろん、そうした数字も車を評価する上では重要です。
しかし、実際のカーライフでは、
- どこを走るのか
- どのくらいの速度域で使うのか
- どれくらい維持費を許容できるのか
- どこまで不便さを楽しめるのか
- 壊れた時にどこまで笑っていられるのか
そういった部分もかなり重要です。
そして、その車を企画した人、設計した人、開発した人が、「この車で何を楽しませようとしたのか」と想像しながら乗ってみる。
そこに自分の使い方とのズレがあるのであれば、その車本来の良さを壊さない範囲で、自分向けに手を入れてみる。
それもまた、車の楽しみ方の一つです。
結局のところ、一番性能の高い車が、一番楽しい車とは限りません。
そして、一番新しい車が一番楽しいとも限りません。
逆に、古くて不便な車だから楽しいというわけでもありません。
大切なのは、自分のカーライフや価値観の中で、その車が持っている「おいしい部分」をどれだけ味わえるのか。
さらに、そのために必要な不便さや維持費、トラブルまでどこまで受け入れられるのか。
そのバランスなのだと思います。
今の私にとっては、性能、楽しさ、気軽さ、維持のしやすさ。
そのあたりのバランスが、一番うまく自分の使い方にはまっているのがMR-Sなのでしょう。
だから最近、気がつくとまたMR-Sの鍵を手に取っています。









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