北海道ツーリング3日目。宿泊した釧路のホテルを出発し、いよいよ道東のハイライトとも言える知床半島へ向かう。
この日は標茶・羅臼を経由して知床峠を越え、斜里町のホテルまで約250km。
道中には展望台や観光スポットが点在し、まさに走って楽しく、眺めて美しい1日となる。
早朝の釧路を出発、思わず立ち寄ったシラルトロ沼と駒ヶ丘公園
午前8時、釧路のホテルを出発。国道391号を北上し、標茶方面へ向かう。
走り出してしばらく、左手に現れた湿原の向こうに広がる沼が目に留まった。
予定にはなかったが、あまりにも景色が良く、車をシラルトロ沼の駐車場に滑り込ませた。
8時30分頃、車を降りると、一面の水面が朝の光を静かに反射していた。風はなく、沼はまるで鏡のよう。
わずかな時間だったが、旅の途中にこうした偶然の一瞬が差し込むのは嬉しいものだ。
そこから10分ほど走り、8時50分には標茶町の駒ヶ丘公園に到着。
ここではトイレ休憩のみ。小高い丘の上には上がらず、次の目的地へとすぐに出発した。
海沿いへ。しべつ海の交流館・羅臼展望塔
標茶からは道道13号線を経て、別海町を横断。
道中、車も信号も少なく、ボクスターの持ち味である加速と旋回性能が生きる。
軽快なハンドリングでワインディングを抜け、10時15分には「しべつ海の交流館」駐車場に到着。
その後、根室海峡沿いに335号線を北上し、11時10分には「羅臼国後展望塔」へ。海と国後島を見渡す展望塔からの眺望は圧巻。
視界の奥行きに、北海道のスケールの大きさをあらためて感じる。
道の駅知床・らうすで昼食をとる
11時40分、「道の駅 知床・らうす」に到着。日曜日ということもあってか、想像以上に混雑していた。
駐車場も店内も観光客で賑わっており、昼食は全員一緒には取れず、各自で分かれて好きなタイミングで食べることにした。
食後は短時間ながら売店を覗き、地元産の昆布や干物などを物色してから車へ戻った。
次はいよいよ、知床峠を越えてウトロ側へ向かう。
知床峠はツーリング随一のワインディング
13時5分、知床峠展望台に到着。
羅臼側からの上りは、このツーリングで最も気持ちの良いワインディングだった。
緩やかな勾配と絶妙な中速コーナーが続き、ペースを崩さずにリズム良く走れる。路面は良好、交通量も少なく、ボクスターのハンドリング性能を最大限に引き出せる区間だった。
背後から聞こえるフラット6の吸気音、背後から回り込む海風、そして目前に広がる羅臼岳のシルエット。すべてが一体となって、「走ることの気持ちよさ」を実感できる道だった。
展望台では十数分停車。標高738mの空気は冷たく澄んでいて、風にさらされた体にツーリングの高揚感がじんわり染み込んでいく。
知床五湖で静寂に包まれたひととき
知床峠を越え、13時45分には「知床五湖」へ到着。
駐車場はほぼ満車で、施設周辺は観光バスや団体客で賑わっていた。世界自然遺産の中でも知名度が高い場所だけに、やはり人気の高さを感じる。
遊歩道を歩きながら湖と原生林の風景を眺めたが、静けさというより“にぎわいの中で自然を感じる”といった印象が強かった。
それでも、遠くに見える湖面や森の連なりにはやはり独特の迫力があり、観光地として整備されていながらも、この地のスケールの大きさは十分に伝わってきた。
約1時間の滞在を終え、次の目的地へ向けて車に戻る。
斜里へ下る。道の駅と「天に続く道」に立ち寄る
知床峠をウトロ側へ下り、15時20分には「道の駅 うとろ・シリエトク」に立ち寄る。
ここはお土産と情報の拠点。地元の昆布や木彫りの熊が並ぶ店内をひと通り見てまわる。
さらに、16時10分には有名スポット「天に続く道」へ。
真っ直ぐに延びる道が空へ向かっていくように見える光景は、北海道を象徴する絶景のひとつ。
撮影後、16時45分には本日の宿「ルートイングランティア知床 斜里駅前」にチェックイン。
創作居酒屋いた吉で斜里の夜を過ごす
夕食はホテルから徒歩圏内の「創作居酒屋 いた吉」へ。
地元食材を使った創作和食と地酒の品揃えが豊富で、店内は落ち着いた雰囲気。北海道の夜を静かに味わうにはちょうどいい店だった。
この日走ったのは約250km。走行距離としてはそこまで長くはないが、変化に富んだルートと、知床という特別な土地が与えてくれた密度の濃い1日だった。
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