北海道ツーリングも後半戦へ。
4日目は斜里から南下し、屈斜路湖・美幌峠・摩周湖・阿寒湖といった名所を巡りながら北見へ向かう約260kmのルート。
湖と峠、森と温泉、北海道らしい変化に富んだ1日になる。
ハイランド小清水725で屈斜路湖を見下ろす
斜里を出発し、334号→587号→102号を経て「ハイランド小清水725」に到着したのはちょうど午前9時。標高約725メートル、その名のとおりの絶景スポットだ。
駐車場から遊歩道をほんの数分歩けば、視界が一気に開け、そこには大パノラマが広がっていた。
眼下に広がるのは、青く澄んだ屈斜路湖の湖面。左手には和琴半島が静かに突き出し、その先には雌阿寒岳と雄阿寒岳が並ぶ。
さらに背後には雄大な山並みが続き、360度の展望がすべてひとつに繋がっている。
太陽の角度で湖面はキラキラと輝き、湖岸から湯気が立ち上る砂湯の位置も肉眼で確認できた。
夏の緑と湖の青、山の輪郭が絶妙なコントラストを描き出し、しばらく言葉を失う風景だった。
私は幌を開けたままのボクスターから降り、深呼吸しながら景色に身を委ねた。朝の澄んだ空気と涼しい風が心地よく、「北海道に来た」と改めて実感する瞬間だった。
屈斜路湖・砂湯で地熱の湖岸を歩く
ハイランド小清水からは102号を下り、391号・52号を経て屈斜路湖へ。
9時50分、湖畔の「砂湯」に到着。
地面を掘ると温泉が湧き出す不思議な湖岸で、観光客もまばらな朝の時間は静かで心地よい。
ボクスターの幌を閉め、湖岸を数分歩いてから再出発。
美幌峠からの絶景を越えて、はなこやで昼食
52号から243号へ乗り継ぎ、11時には美幌峠に到着。
眼下に広がる屈斜路カルデラは何度見ても圧巻。エンジンを切って展望台に立つと、ツーリング中であることを忘れ、ただその雄大さに見入ってしまう。
11時40分、峠を下った先にある「はなこや」で昼食。
注文したのは名物の焼きカレー。
とろけるチーズにカレーソースが絡み、かすかにスパイスの香りが鼻をくすぐる。
大振りの具材がほどよい食感と満足感を与え、ドライブの中休みにふさわしい一皿だった。
摩周湖・道の駅道の駅 摩周温泉
13時10分、摩周湖第3展望台に到着。
標高670 mで無料駐車場も完備されており、摩周湖の湖面やカムイシュ島、さらに屈斜路カルデラまで一望できる絶景ポイントだ。天候にも恵まれ、「摩周ブルー」を目の当たりにできた。
13時45分には車列を道の駅 摩周温泉へ誘導。
ここは地元野菜やそば、ソフトクリームなどのテイクアウトコーナーに加え、24時間利用可能な足湯も設置されている人気スポットだ。
私も売店を見て回り、地元のそば粉を使った「摩周八割そば」などをチェックしつつ、旅の情報を得た。
ただし、今回は足湯にはつからず、次の阿寒湖へ向けて再出発した。
ボッケ遊歩道とヒグマ剥製に心を揺さぶられる散策
道の駅を出た後、阿寒湖畔ビジターセンター近くの遊歩道から「ボッケ」へ歩き出すことにした。
距離は片道約1.5 km、10〜15分ほどの平坦な道のりだ。
森の中を進むと、足元には落ち葉が積もり、野鳥のさえずりが静かに響いてくる。ほどなく、地面の泡立つ音と温かい蒸気、硫黄の香りに包まれ始める。
やがて「ボッケ」に到着。砂地から湧き上がる温泉泥が白く泡立ち、視覚、聴覚、嗅覚すべてに強いインパクトを与える。
歩かなくては辿り着けない、まさに“地球が生きている場所”だった。
湖面は滑らかで、遊覧船が静かに波を立てながら進んでいく。
その後ビジターセンターの館内へ入ると、圧倒されるほど大きなヒグマの剥製が展示されていた。
それを目にして、北海道の大自然と野生のスケールを再認識。旅の序盤とは異なる、自然の“強さ”を感じさせてくれる瞬間だった。
北見に到着。夕食は「北の仲買人 三八(Mihachi)」で海鮮炉端焼き
阿寒湖から240号・27号を経由し、17時ちょうどに「ホテルルートイン北見大通西」に到着。
この日の走行距離は約260km。多彩な景観と停車ポイントを巡りながら、濃密なドライブを終えた。
夕食は徒歩圏内の「北の仲買人 三八(Mihachi)」。
地元オホーツク産の海鮮を卓上コンロの炉端焼きで楽しめる、人気の海鮮居酒屋だ。
店内は木のぬくもりある落ち着いた空間で、カウンターや掘りごたつ席もあり、グループでも一人でも利用しやすい。
海鮮炉端の「三八盛り」や串焼きなど、多彩なメニューを味わいながら、地元の鮮度を満喫できた。
〆には牛もつ鍋やポテトサラダ、枝豆なども合わせ、一日をしっかり締めくくる内容だった。
北見の夜風とともにホテルへ戻り、熱々の炉端焼きと北海道の海の香りを胸に、4日目は静かにフィニッシュした。
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